試作品①これでも一応公務員です。
この世界唯一の国であり都市である沙陀(シャーダ)。
王の住む城を中心に5つの大通りがあり、通りごとに違う文化を形成している。
……この物語は大通りを警備する警備隊のひとつ、
『戦車(チャリオット)』の活躍を……
「なぁ、今日の俺たち任務なんだっけ? 」
「確か、『ユーロストリートの人気スイーツをゲットしろ』だったような……」
活躍を……あ、任務から帰ってきた隊員が。
「ういーっす、今日の任務『チャイナストリートのイメージガールオーディション』終わったぜ~」
だから警備隊の活躍を……
「……先輩、『警備』交代の引継ぎにきました」
「ご苦労様です」
こちらはまともな任務みたい。
「しかし、あんなもんに警備なんているんですかね~」
「……『戦車』の基本方針は? 」
「『どのような任務であっても全力で務め上げること』……ですけど」
不服そうに答える隊員。
「……でも、なんか納得いかないです」
「任務放棄は国民に『税金泥棒』と言われても文句言えなくなりますよ」
先輩隊員は両手を上に上げ背伸びをする。
「……で、『警備』対象は今どこに? 」
「神殿の庭の池で、気持ちよさそうに水浴びしてますよ」
「了解。任務を引き継ぎます」
彼らの行っている任務……
それは『王のペット(ワニ)の警護』。
警備隊『戦車(チャリオット)』
彼らは国が管理する『何でも屋さん』である。